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下から将吾さんの顔を見上げる。
……どうして、今夜は一度もキスをしてくれないの?
きっと今のわたしは不安げで、そして、焦れたように乞う表情になっているはずだ。
将吾さんのカフェ・オ・レ色の瞳が……その眼差しが、溢れんばかりの艶っぽい色気を湛えて、次第に熱を帯びた琥珀色に変わっていく。
なのに……将吾さんがくちびるを落とした先は、わたしの耳だった。
ちゅっ、と音をさせてから、わたしの耳たぶを甘噛みした彼が囁いた。
「お仕置きだ……今夜はキスはしない」
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