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翌朝、わたしは将吾さんのベッドのコンランブルーのファブリックの中に包まれて目覚めた。
しかも、将吾さんとしっかりカラダを密着させて、抱き合って……お互いに一糸纏わぬ姿だった。見事になーんにも身につけてなかった。
わたしは飛び上がるくらいびっくりした。
酔いがすっかり冷めたわたしは、昨夜の自分を反芻した。そして、自分のとった行動の大胆さを思い出して、驚愕した。
昨日の自分は自分じゃないようだった。
約八年ぶりに再会した海洋と、キスしてしまったことも……
将吾さんの部屋に自分から行って、意識が飛ぶほどカラダを預けてしまったことも……
……お酒は怖い。特に、酔いが回る日本酒にはリキュールであろうと気をつけよう。
わたしは自分自身の迂闊さをものすごーく戒めた。
そして、朝に弱い将吾さんが目覚める前に、そっと離れて自分の部屋へ行こうと、衣服を探す。
ところが、同じベッドの中でごそごそしているのだ……将吾さんの目を覚ましてしまった。
寝起き直後の彼のご機嫌は、四方八方にひん曲がっていた。だけど、あどけない表情をした将吾さんは、まるで幼い子どものように見える。
以前、副社長のプライベートルームに仕事で入った朝に見たその表情を、まさか同じベッドの中で熱い夜を過ごして目覚めた朝に見ることになるとは。
「……昨夜はよくも、煽りまくってくれたな」
覚醒した将吾さんはわたしに馬乗りになって、ベッドに引き留めた。
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