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将吾さんは、せつなげにカフェ・オ・レ色の瞳を曇らせて、じっとわたしを見つめた。
「昨夜、おまえがあんなとろんとした色っぽい目でおれを誘ってきて……なのに、キスができないなんて……おれの方が『お仕置き』だった」
わたしは昨夜の恥ずかしすぎる自分を思い出し、真っ赤になって、将吾さんから目を逸らした。
「……ったく、おまえは」
将吾さんは、待ちかねて耐えきれないとばかりに、わたしの口を自分のくちびるで塞いだ。
たちまち、わたしの口は彼の舌でこじ開けられ、わたしの全部を吸い尽くしてやろうかと思ってるんじゃないかというほどの、激しいくちづけが襲ってくる。
それから、お互いの舌を探して、求めて……
濃厚なやりとりが、長くながく続いた。
それは、わたしが昨夜、してほしくてほしくてたまらなかった……将吾さんとのキスだった。
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