酔った勢いで素直になってます

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この家の人たちは超多忙なので、なかなか一緒にご飯を食べることができない。 だから、せめて朝食だけはみんなで食べようと、仕事のある平日は午前七時、仕事のない休日は午前八時にダイニングルームに集まることが決まっているのだ。 家族のやりたいことを最大限に尊重する富多家にとっては数少ない、けれども家族の絆にとっては大切なルールだ。 「今朝くらい、いいから……それより、おまえを今度こそ最後まで抱きたい」 将吾さんはわたしを放す気はないらしい。 「わたしはイヤなの。日曜日の朝に二人して、朝ごはんに来なければ、やましいことしてるって思われるじゃん」 ……いや、実際に(やま)しいことしてるんだけど。 「疚しくなんかねえよ。結婚して夫婦になるんだから」 将吾さんは至極真っ当なことを言って、わたしのくちびるにちゅっ、とキスをして、その先を求める。 ……だけど。 わたしは彼の隙を突いてすり抜けて、ベッドの下に落ちていたもふもふの部屋着を拾い上げて、手早く身に着けた。 「お、おいっ……おまえに欲情して勃ってるコレどうしてくれるんだ?」 将吾さんが指し示しながら、苦虫を噛み潰した顔の不機嫌の極致でわたしに問う。 ……ごめんね。 朝だから、ひときわ「元気」だよね? でも、家の人たちからあれこれ思われるのは、すっごく恥ずかしいから。 それに……やっぱり、最後まではしない方がいいから。
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