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副社長の片方の口の端が上がり、ニヤリと笑う。
「見た目がやたら派手なだけの、ぼぉーっとしたお嬢さまじゃない、ってことだな」
……確かにお見合いのときは、ぼんやりしていたけれど。こんなわたしにも「朝比奈の血」は流れているんです。
一応、一族直系の総領娘なんですから。
「おれたちは、両グループがウィンウィンな関係になるための橋渡しだ」
副社長は右手を差し出した。
わたしはつられるままに、彼と握手した。
大きくて、意外にも節のしっかりした、がっちりした手だった。
……でも、もしかして、これって。
二人の間で、見事に「政略結婚」成立!っていうこと……だよね?
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