イケメン秘書と婚約指輪を選びます

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「承知しました……ですが、このようなことで島村さんの手を煩わさせるわけにはいきませんので、うちの出入りのデパートの外商に言って、こちらの方でご用意しますが」 副社長の顳顬(こめかみ)に、青筋が立ったような気がした。島村さんの顔が一瞬、強張(こわば)ったような気も。 「あんたの方で用意する必要はない。言われたとおりに動け」 わたしの申し出は、速攻で副社長の鋭い眼差しとともに一刀両断、こっぱみじんこにされてしまった。そして、副社長はデスクの上の書類を手に取って仕事を再開した。 ……副社長が忙しいのは重々承知の上だから、遠慮しなくていいのに。 それに、秘書の島村さんがいなければ、Web会議で困ることないのかな? 「……承知しました」 わたしは再度そう告げると、 「その指輪がクリスマスプレゼントだから」 副社長が書類に目を落としたまま言った。 「……ありがとうございます」 わたしは礼を述べて、前室へ戻った。
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