Prologue

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大地(だいち)もね、来年の二月に結婚するのよ。だからね、わたくし、彩乃ちゃんにも早く幸せになってもらいたくって、このお話を持ってき……」 「えっ……ええぇーっ!? 」 わたしは清香おばさまの声を遮って、素っ頓狂な声をあげてしまった。 「「彩乃っ!? 」」 すぐさま、両親の鋭い声がユニゾンで響いた。 そして、そのとき、わたしは初めて目の前を見た。 つまり……ご両親には挟まれて正面に座っている「お見合い相手」を。 ……目が合った。 その人は、わたしを見つめていた。 ……いや、違うな。 片眉を上げて、目力込めて……わたしにガンつけていたのだ。
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