8121人が本棚に入れています
本棚に追加
/541ページ
月曜日の朝、早めに出勤したわたしは副社長室の執務室の奥にある、プライベートルームを目指した。
清掃は担当の人がきっちりやってくれているそうだが、ワイシャツなどの補充やクリーニングはやってなかったみたいなので、気になったのだ。
わたしは副社長室の前室に入って、まず自分のデスクにボリードをしまう。
そのあと、執務室のドアをノックした。
返事がなかったので、中に入る。
こんな時間には、島村さんだって来ているわけがない。
執務室を見回すと、奥にドアが見える。
プライベートルームのドアだ。
わたしはそのドアまで行き、ノックをした。
……返事がない。
念のため、もう一度、ノックした。
……やはり、返事はなかった。
わたしはバッグから取り出しておいたカードキーを差し込んだ。
ピッ、と解錠する音がした。
わたしはカードを引き抜き、だれもいないが、「……失礼します」と言って、ドアを開けた。
すると、壁際に設置されたベッドが見えたとたん、副社長の寝ている姿が、目に飛び込んできた。
最初のコメントを投稿しよう!