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私が彼との会話を楽しみにしている日々が続いた。
そんな中、また家族で集まっていた。
下から何か聞こえる…。
降りてリビングを覗くとなにやらみんなでパソコンをかこんでおり、いい雰囲気とはいえない感じだ。
中へこっそり入ると母と目が合った。
「おいで、あなたも聞いた方がいいでしょ」
そういわれなんだか孤独を感じた。
皆は知っていたのかな、
なんてそう思ってしまった。
しばらくすると父が通話を始めた。
(誰だろう…)
その相手は父がお世話になる予定の相手のようだ。
話を簡単にいうと母は子供をつれて行かれることを納得が言っていないことを相手が知ると相手は自分のところへ来るのを拒んだ、そして結局この話はなかったことになった。
通話がきれたとき空気は一気にどんよりと重くなり私は指1本動かせなかった。
「キノ、風呂に入ってきな」
母は私にそう言った。
風呂に入りながら先程の事を考える。
両親はこれからどうなるのだろうか
兄たちはこれからどんな思いで過ごすのか
…父はこれからどうなってしまうのか
こわい、日常の崩れは予測できない。
特に馬鹿な私はそうだ。
仕事を捨てて退職金を兄たちにつぎ込んだ父はどうなるのだろう、いやこんなこと考えたくもない。
もうなにも考えたくない
(あぁ、早く彼と通話をしたい)
その思いで埋め尽くされた。
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