出会いと別れの繋がり、

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中学の頃、それは仲のいいクラスでとても楽しかった。 いや、正確にいえば3年になるとクラスが落ちついてとても楽しくなったんだ。 私はよくやらかしてクラスの人からよく思われてはいなかった、でも最後はその輪に入れてくれた。 高校に入ってしらばらくすればそれはとても運がよかったのだと感じる。 中学の頃はこんな酷くはなかった気がする、気の所為だろうか。 それとも自分がコミュ症な為の今の立ち位置に虚しさを覚え何かに当たりたかったのかもしれない。 そんなことをしていても無駄だと分かっていても私は前に進むこともせず不満な顔をして不貞腐れていた。 すると肩をかるく2回ノックされ振り向くと 「ねぇ、きのちゃん…だよね?」 と彼女は話しかけてきた。 彼女は山田一(ヤマダ ハジメ)といってコミュ力があり周りの色んな話題に平気でついていき、話を広げたりといわゆる陽キャに分類群される人だ。 そんな人がなぜ? 私が頭を捻っていると 「私ね!きのちゃんとお話してみたかったんだ!…いいかな?」 と凛とした声で手を中央であわせながら女性らしい仕草で聞いてくる。 「べつに…いい、けど」 あぁ、言葉がつまってそっけない対応をしてしまった。 これに彼女はどう思っただろう、そう思い恐る恐る彼女の顔をうかがう。 …にっこりと苦笑いの影もなく笑っている 「その筆箱についてるキーホルダーってはらわたくんだよね!?」 はらわたくん…それはマイナーなゆるキャラの名前で、腹とは関係なくハラハラワタワタするからというだけである。 そしてモチーフはリスらしい。 彼女のがそんなマイナーなゆるキャラを知っていることにただおどろく。 「…知ってるの?」 なんで多きな声が出せないんだろう、合唱だはちゃんとでるのに…。 私は小学生から合唱部に所属し続け、高校でも合唱を続けようと思っている。 不思議なことにどんなに声を出せても自信はつかなくて、コミュ症はなおらなかった。 そんなことを考えていると彼女は口を開いた 「うん、うちの叔父がそこ出身でね。お土産にいつもはらわたくんのグッズを買ってくるのよ」 と呆れるような参ったというような表情する。 人気でコミュ力がとてもある子で私は一に連れられるままいろんな子と友達になれた。 だから一にはとても感謝しているんだ、一がいなかったときを想像できないぐらい大きな存在になった。 一に連れられるままにオススメされた合唱部に入ることにした。 幸い中学の頃、合唱部にはいっていたため入ってから困ることはあまりなかった。 強いていうならば人間関係ぐらい。 一は合唱部に入るのは初めてで「合唱部に決めたのってどうして?」ときいたら「中学の時運動部だったから新しいのに挑戦したくて...1番お手軽でしょ?」と言われた。 正直これにはカチンときた。 お手軽なのはわかる気軽に出来ることも知っている。 でもなぜか今までの中学部活を馬鹿にされたような気がして、そんな簡単じゃないのに、と思ったりしてその時は苦笑いで返した記憶がある。 そのときから...そのときから、私は一に近寄りがたくなってしまった。 部活ではパートが同じなため、話すことはおおいが返事は素っ気なくなり、最近はあまり話して居ないような気がする。 中学と違ってそんなに本気でやっていないから文句、不満みたいなのが頭の中で飛び散っている。けどそんなの言えないからどうしようもないんだけどね。 本気でやると何か言われそうな気がして声も抑えて本気でやらずぼーっとしている事が多くて不思議ちゃん、なんて言われてしまっている。 それでも響きがよくて自分が褒められるたびに一と目を合わせられなくなる、気まづくなる。 そのくせ、一が褒められると対抗心をもやして自分を見て欲しいって強く思っちゃう。 どうしてだろう。 ...。 嫌になってきちゃうな、 あぁ、早く家に帰ろう。おかしくなりそうだ...。
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