可哀想な運命と引きかえに、与えられる奇跡

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それから何日か経ったある日。この日は春風がビュオォーンっと力強く吹いて、たくさんの北風たちが北の国へと押し出されて行った。多くの北風たちは、冬の雲と一緒に北へと流れていく。 フウヤは僕の周りでシュルシュルと音を立ててつむじを作り、春風に押されても僕のそばを離れなかった。 「フウヤ、無理しないで」 僕はそう言いながら、ヒューヒューと足元から僕の首へと通る北風を抱きしめて、口とは裏腹に『行かないで』と心の中で強く願った。 ー ユウスケ、僕は大丈夫だよ フウヤの声が少し震えているのを感じた。本当は辛いのかもしれない。怖いのかもしれない。 だけど、僕は何も言わなかった。
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