第4章 わらびと蓮子

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 なんて言葉をかけたらいいのかオロオロしている私に、蓮子さんは少し笑った。そして、角の家の庭を指さした。 「あ、グアバの木があるぞ。うわあ、花が 咲いてるな」 「グアバ?」  私は首を傾げた。聞いたことがあるような、ないような……。 「南国の果物だな。最近はグアバ茶ってお茶にもなってるぞ」  トロピカルフルーツの花なんて初めて見た。  嬉しくなって、私は駆けよった。植木鉢に植えられているせいか、ごく普通の木に見えた。  あれ、でも、待って……花が咲いてる。  見たことのない花だった。真っ白な花びらから、同じく真っ白な花粉がものすごくあふれだしてる。明るく爽やかで、芯の強そうな花だ。 「へええー、うわあ、なんだろ、花粉がすごい迫力。綺麗な花ねえ。すごい、すごい」 「グアバの花言葉は『強健(きょうけん)』だ。丈夫って意味だな」  蓮子さんは何事もなかったかのように、花の話をし始めた。  私も手を叩きながら、蓮子さんの話を聞いた。  風が道を通っていった。  蓮子さんの髪の毛がふわあっと軽くなびいた。  太陽の光に透けて、きらきらしている。  私達は夢中になって、花を見ながらお喋りをした。
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