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いろいろ考えてるうちに、入り込んでしまったみたい。
いつもよりも奥にいる気がするわ。
けっこう考えてたからかな。
まあ、しょうがない。
向こうの山を目印にすれば……って、あれ?
「山が見えない……」
霧がかかっていて、いつも目印にしている山が見えない。
どうしよう。
目印がないと降りられないよ……。
あ! スマホで電話すればいいわ。
カバン、カバン、と。
「スマホ、スマホ……うわあ、家に忘れてきてる」
ど、どうしよう……。
絶望的。
ええっと……。
う~ん……。
「……まあ、なんとかなるわよね」
霧が晴れたら、山を目印にして降りたらいいだけだもの。
……っと。
「雨!」
みるみるうちに黒くなった雲から、ぽつぽつと雨が降り出した。
制服に水玉模様ができては消える。
「ええっ、どうしよう……」
雨がきつくなってきた。
と、とりあえず……。
「避難、避難……」
急いで大きな木の根元に移動する。
まるでそれを合図にしたかのように、雨はざーざー降りに変わった。
「どうしよう……」
なんだか怖くなってきた。
私は膝を抱えて、木の下にしゃがみこんだ。
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