第7章 またまた迷子のわらび

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「ううう……お母さ~ん、誰かあ」  誰もきてくれない。  もう日が暮れ始める頃だ。 「うわあああああん」  涙が止まらない。  怖いよう。  誰かきて。  誰か助けて。  このまま、雨がやまなかったらどうなるの?  私、食べるものがなくて餓死しちゃう?  それとも、雨でふやけて死んじゃうの?  怖い、怖いよ。  こんな怖い思いしたことなかった。  山さえ降りられたら、家に帰れるのに。  ううん、それよりも、スマホを忘れなかったら、家に電話できたのに。  私のバカバカバカ。  怖い……。
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