第8章 蓮子登場

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 雨はほぼやんだ。だけど、周りは真っ暗だ。  もちろん、向かいの山なんて見えるわけがない。  やっぱり、ここで夜を明かすしかないのかな……。 「……び……」  ん?  今、なにか聞こえたような。 「わらび! 返事しろ、このビッチ!」  え? え? なに?  誰かが私を呼んでいる。  というか、ビッチ呼ばわりされてる?  向こうでチカッとなにかが光った。  ガサガサと音がする。近づいてくる。  ……なにが起こったの?  私がぽかんとしているあいだに、横の草がざざっと音を立てた。  それから、強い光に照らされた。  私は反射的に手で顔を覆った。 「……よし、わらビッチ、確保」
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