第8章 蓮子登場

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 手をそろそろと外して見ると、そこに立っていたのは蓮子さんだった。  懐中電灯を手に持っている。 「れ、れ、蓮子さん……?」  うまく言葉にならないよ。 「まったく、このビッチはなにしてるんだ」  蓮子さんは私に向かって手を差し伸べた。  白いレインコートが夜の闇に映えている。  雨が上がったあとの草の匂いがする。  どこからか、オケラの鳴き声が聞こえてくる。  私は蓮子さんの手をぎゅっと掴んだ。  やっと、やっと助けが来てくれた。 「蓮子さ~ん……」  安心したら涙が出てきた。
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