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「……お前、聞いてる? どこか痛いのか?」
蓮子さんは怪訝そうな表情で私の顔をのぞきこんだ。
「……いや、違うな。空想の世界を旅行中なのか。なんか、あんたらしいな」
蓮子さんは苦笑した。
ああ、笑うとますます美人ね、蓮子さん。
って、違う!
そういう話じゃないの!!
「蓮子さん!!」
私は大声を出した。
蓮子さんは驚いた表情で立ち止まる。
いつのまにか出てきた月が辺りを照らしてる。
月明かりの下、白いレインコートをはおった蓮子さんは本当に綺麗で、数秒間思わず見とれてしまった。
って、違う!
蓮子さんに見とれてる場合じゃないの!
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