序章 見てる人は見ている、ということ。

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『三咲涼くん?』 驚きで声も出ない。なんで俺の名前がここで出てくるんだ。誰がどんな目的があって俺なんかにこんなメッセージを送ってきたんだろうか。 というか、俺はこのメッセージになんて返せばいいんだ? え、すごく困る。 などと考えながら幾分か逡巡していると、スマホの画面を凝視していることに気づき、一度落ち着くため画面から目を離すことにした。その時だった。ピコンっと先ほどと同じ通知音が響く。 『今、ハマキタ公園にいるよね?』 先ほど来ていた返信の下には、同じ鈴という人物からのメッセージが来ていた。しかも、俺のタイムリーな居場所付きで。返信内容にあるハマキタ公園というのは略語で、実際は緑ヶ浜北部自然公園というのが正式名称になっている。 そんなハマキタ公園を知る人物はきっと地元の人間なのだと思われる。そして俺がここに居ることを誰にも教えていないことからもわかる通り、鈴という人物がこの辺りに居てわざわざSNSを介して俺に連絡を取ってきているということになる。そんなことあるのか? と思いながらも、すぐに周囲を見渡す。 公園といえども山の中腹まである大きな公園で、遊具などの遊べる設備はもちろんのこと、スポーツを行える複数の施設や植物園なんかもあったりする。そして俺がいるのはハマキタ公園の中でも山。木々に覆われた何もない場所。来るときはキャンプ場辺りから適当に茂みに向かって歩いた。そんな場所だ。 公園といえども山の中腹まである大きな公園で、遊具などの遊べる設備はもちろんのこと、スポーツを行える施設や植物園だったりとこれだけではないが色々あったりする。そして俺がいるのはハマキタ公園の中でも山。木々に覆われた何もない場所。来るときはキャンプ場辺りから適当に茂みに向かって歩いた。そんな場所だ。
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