『そして空を見上げた』

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私の体と精神は、すでに限界にきていた。 「(早く楽になりたい……。)」 何度も何度も、心の底からそう思った。 すでに限界だった。 毒親からの虐待。 小さい頃からの周囲のイジメ。学校側の無関心と保身。 自分の容姿への劣等感。振るわぬ学業と運動成績。 何でも相談出来るような、そんな友達も出来ずにいた。 自分の居場所は何処にも無かった。 そして更に、追い討ちを掛けるように病気を発症した。 完治は見込めず、生涯寝たきりの人生が確定した。 自然と私の視線は、足元ばかりを見るようになっていた。 部屋の窓から見える夜空に、何かが強く光った気がした。 「そして私は空を見上げた」 それは満天の輝く星空だった。
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