奴隷とこども

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威嚇のための鞭を手にする役人と作業中でも声を掛け合ったり談笑したりする自国の民とは違い、労働の場では明らかな差別とまでは行かないが、国民と奴隷との間には乗り越えてはいけない一線のようなものがあって、役人と奴隷が談笑することなど有り得なかった。 しかし一方で、褐色の肌に赤い髪の者や浅黒い肌に金色の髪の者、黄色い肌に黒髪をなびかせ瞳は深い翠の者もいた。 東西の血が混ざり合い、血統を守るという概念に人種はあまり関係なく、人々の交流が自由に見える地であったが、世の常か、否定派は存在した。
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