奴隷とこども

5/14
前へ
/74ページ
次へ
* 仕事を終えた一人の奴隷が現場を歩いていたときの事。ふと、視界に小さな影が映りこんだ。それは高所の足場に腰掛け、足をぶらぶらさせて遠くを眺めている子供だった。 奴隷の男は、その容姿に驚いた。 なぜなら、あまりにもみすぼらしい布切れを一枚体に巻いて、労働に参加しているわけでもないだろうに全身を砂や土や汗で汚し、黒髪はぼさぼさでガリガリに痩せて。そして、臭いに誘われたのか体を取り巻くように何匹もの蝿が飛んでいたからだ。
/74ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加