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ごくりとパンを飲み込んだ子供は血の滲んでいる奴隷の腕をじっと見つめたまま、やはり無表情で突っ立ったままでいるのを、
「ここにいるとお前もこうなる」
奴隷は自分の怪我をちらりと見やり、早く立ち去るよう言って聞かせた。しかし子供は横向きに首を振って動こうとしないのだ。
「仕方ない、」
安全なところまで連れて行ってやろうと思い、子供の手を取り歩き出そうとすると。鋭い声に呼び止められた。
「おい」
振り向くと鞭を持った役人がひとり、威圧的な表情と態度で立っている。
奴隷に比べればふくよかに肉のついた体を堂々と見せ付けている役人を、子供は小首を傾げて見つめるのだった。
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