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・No side・
魔王城でいろんなことが起きた日から、5年。
ノクターン王国では、とある式が行われようとしていた。
「・・・アルフレッド・セレナーデ、前へ。」
「はい。」
現国王に名前を呼ばれ、彼の前へ跪いたアルフレッドが着ているのは、この国の礼服である純白の軍服。
体のラインに沿って作られたそれはアルフレッドのしなやかな体躯を綺麗に彩り、観客からほぅ。と感嘆のため息が漏れた。
「貴殿を外交官に任命する。」
「了解致しました。ご期待に沿えるよう、誠心誠意励みます。」
「うむ。・・・ラインハルトの嫁になるとばかり思っていたから非常に残念だがな。」
「申し訳ございません。・・・私の存在が魔国への橋渡しになると思うので、これだけは譲れません。」
国王にそう答えるアルフレッドの声は凛としており、彼の意思の強さがよく分かる。
そんな声を聞けば、自分の息子との婚姻を無理矢理勧める気もなくなってしまうな。と国王は心の中で苦笑いを溢した。
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