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2.特訓
第2次試験開始日の1週間前のこと、A.I.C使用許可認定公園において3人の少年少女は練習に明け暮れていた。
同世代より背が小さく、若干赤みがかかった毛髪をしている少年のカナタは息も絶えだえになりながらも、呼吸を整えていた。
「よし、発動のタイミングもだんだんつかんできたぞ」
『いいぞ、カナタ。1週間前よりもコンビネーションがよくなってきている。特訓の成果が現れてきているな』
相棒であるトラキチは微笑みを浮かべてながら声をかけてきた。
「うん。そうだな、確かに。それに、ジンとバーディが小型ガジェットドローンを見つけて安全なルートを選んでくれていたおかげで、シミュレート上はずいぶん時間が短縮できたしな」
「ああ。俺のバーディなら空からドローンたちの動きが捕捉できるからな。そして、いくら森のなかに缶があったとしても、そこまで深い木々のわけでもない。見つけること自体は可能だろう。ただし、大型に対しては缶から動かないからどうしようもないけどな」
小学生からの幼馴染でかつ友人である栗色の髪をしたやや大人びた雰囲気を放っているジンは相棒のバーディの頭をなでながら答えた。
「大型は私のネコネがおとりになるわ。引っかかっている間に、カナタのトラキチが大型のウィークポイントにアタックを決める予定でしょ」
カナダからの帰国子女であるアカネはネコネの腹を愛おしそうになでながら答えた。
「ああ。任せてくれ。トラキチの技能『ボルトクラッシュ』がウィークポイントに決まれば大型だって一時的に機能停止できるはずさ。ただ、発動までは結構チャージ時間を食うからな。その間、トラキチは無防備になるし」
「ふふん。そこはネコネの技能にまかせなさい。しっかりと大型を翻弄してあげるわ」
「頼りにしてるよ。アカネ」
『こちらも負けてられないな、カナタ』
「だな、トラキチ。よし、特訓の再開だ」
「「おー」」
こうして、日も暮れる中、3人とA.I.Cたちは試験へ向けて調整を行っていた。
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