そして、少年はトラキチと夢をみる。

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個人にフォーマットされたそれはゆりかごから墓場までサポートし、本人の体調管理や目的に向けた努力の補助のみならず、他者とのコミュニケーションの補助やメンタルのサポートも行えるようになった。 また、瞬時の翻訳機能により言語の壁も薄くなり、国家間の交流も以前の世代と比べるとはるかに盛んになった。 さらに、『クレイ』は『アイダ』を搭載することにより、機能・形状を自在に変化させることを可能としていた。 これにより、個人ごとに異なる姿をとるAIが現実として現れたのだった。 空からの画像をリアルタイムで把握したり、海上を走ったり、あるいは介護の補助や災害救助などの危険な仕事のサポートをしたりといった生活が工業から個人まで幅広くサポートするA.I.Cは、またたくまに、広がりを見せていった。 今までのドローンでは対応が困難であった即応性と柔軟性に優れた画期的な発明であった。 2020年に発祥したA.I.Cは、その後、爆発的な人気を誇り、あらゆる場所・人へと普及していった既存の産業のみならず、新たな産業や交流の道を切り開いていった。 2030年にはA.I.Cを用いた様々な産業・レクリエーションがあり、プロスポーツ化したものも多々あった。その規模は世界中に広がっていった。     
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