6人が本棚に入れています
本棚に追加
「好き……」
猫屋敷の時が止まった。そんな彼に、虎谷は自分の本心を、ゆっくりとひも解いていく。
「私も、好き……。余命100文字はウソ。でも好きなのは、ホント…。最初は弟みたいにしか思ってなかった。でもいつからか、自分でも認めたくなかったんだけど、なんか違う気持ちが混じってきて……。あーもう、悔しいなぁ」
怒涛の急展開に、もはやお互いを直視できない。
「……先輩、ホントに、ホントですか……」
「……うん……。ホントに、ホント……」
かろうじて絞り出す声。
「だったらまだ、死ぬわけには、いきません、ね……」
「うん、勝手に死んだら、許さないから……」
二人の新たな時間が、動き出していく……。
最初のコメントを投稿しよう!