雪の積もらない街

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 あの後、近くで聞いていた天文サークルのメンバーにひたすらいじられて酷い目にあった。  あれから、もう一年。あるいは、もう一年。早いようで短い。短いようで早い。まさにそんな感じだった。  あの日のような流星群は、今日の空には見えない。  結果を言ってしまえば、俺は彼女を恋愛的な目で見ることは今もできていない。  一度だけ。聞いてみたことがある。人を好きになれない自分をどうして好きになってくれたのか。  答えは難解だった。  「あなたといるとドキドキする」と。「きっと、これが恋だ」とも。  俺はそんな彼女と真逆だ。心臓の鼓動なんて早まらなかった。  手を繋いだときも。肩に頭をのせたときも、のせられたときも。抱きしめたときも、抱きしめられたとき。キスをしたときも。たぶん少しも変化しなかった。  だから。正直者な自分は、彼女に今も「好き」の一言すらかけることができていない。  嘘でも言うべきだったのかもしれない。  きっと、俺は彼女を恋せない。愛せない。最後までその言葉に対する嫌悪感は消すことができなかった。  諦め始めたのはいつだっただろうか。  そう時間を要さなかったと思う。     
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