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「そんなに、厄介な女なのか」  林田恭介、私の同期。あまりにも早い出世にねたまれる事あり。まだ20代の若き警部補と、私の部屋で鍋をつつきながら今日の出来事を離した。  高身長、高学歴。  高収入なのかは分からない。多分、大企業の方が収入は高い場合もあるから一概には言い切れないが、決して悪くはない。高収入であれば、バブルの時代の女性が憧れる『三高』が揃った男だ。  目の前にいるその『彼』は確かに、かっこいい。俳優のような、整った端麗な顔立ち。刑事なので一応、一般市民に聞き込みをする事はよくある。が……。  こちらが聴取しているのが若い女性であれば、聞き込み中は彼に大体見とれている事が多い。  よく食べる割には、すらっとした体躯。
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