このゲコたん、見覚えがある

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女子高生を仕事にしてる私は歩いて毎日学校に通う 晴れの日ばかりでは無いのでたまには雨や雪が降ることがある けど、今朝は違った コン! 「痛っ、何?」 何かが私の頭にあたりコトリと足下に落ちてきた 「あ、ゲコ」 忘れもしない、この緑色をした玩具のカエルはわたしがゲコと名ずけて大切にしていたカエルの玩具である (お尻に空気をとおす管が繋がっていて膨らんだ端を指で抑えるとゴム製の脚が伸びてぴょんぴょん跳ぶ玩具である、うんぬん) はて、子供の頃に無くしてしまったゲコが何故にわたしの頭に落ちくるのか? 歩みを止めて道端でカエルの玩具(それも壊れてる)を眺める女子高生はシュールなのか?と思いながら改めて上を見た 「おーい、幸子」 少し離れた坂の上から見知らぬ男性が声をかけてきた はて、名前は私の事が誰なんじゃ すると、その男性は坂を急いで降りてきて 「久しぶりだな、小学校以来かな 幸子は変わってないから直ぐに分かったよ、元気にしてたか?」 と、言われても私には誰やら分かりもせず、地面に落ちているゲコを眺めている 「俺だよ、近所に住んでて良く遊んでたろ、お祭りとか良く一緒に行ったけど覚えてない?」 彼はゲコを拾い、私に差し出した あ、 私は思い出した そう、近所住む友達の男の子、いじめられる私を良く助けてくれた男の子 そう、このゲコも彼がお祭りで景品に貰ったのを貰った物 「お、お久しぶりね」 私は少し恥ずかしくなった 「俺、親父の急な転勤があってさ、みんなに挨拶も無く街から離れてしまって でもさ、幸子には一言言いたくて夜中に家まで行ってみたけど、ピンポンできないじゃん それで、悪いと思ったけど庭先に落ちてたカエルの玩具の先だけ貰ったんだ なんか、思い出みたいの欲しくって」 「そうなんだ、泥棒?」 私は昔を思い出して喜びの気持ちに胸が熱くなっていった 「んー、まあ、でも俺があげたカエルだしさ」 「もう、ぴょんぴょん飛ばせる装置は無いよ?」 「また、お祭り行こうぜ」 そう言う彼の背はとても大きく高くなっていた 彼の笑顔を見ようとした私は そして空を見上げた 終
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