少女終末旅行

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少女終末旅行

つくみず:著 新潮社  漫画をあまり読まないので紹介が稀になってしまっているが、今回のは筆者のお気に入りなので紹介したい。  これは終末世界でふたりぼっちとなってしまった少女、チトとユーリを描いた「日常漫画」である。全6巻完結済。  本好きで知識もありやや神経質でもある黒髪のチト、食い意地張った楽天家で金髪のユーリ。ふたりはケッテンクラート(半装軌車)に乗って、おじいさんの言葉に従いひたすら都市の上へ上へと向かい続ける。  ゆく先々での発見する文明の様々な名残り。まさかの遭遇。ふたりのやりとりがそれらに意味を与えていき、やがて「生命」という大きなテーマへ繋がっていく。  人物はデフォルメされた可愛らしい絵柄の一方で、巨大都市の風景は半ばデッサンのようにダイナミックに描かれている。この背景もこの漫画で楽しんで欲しいポイントのひとつだったりする。 「もっと絶望と仲よくなろうよ」  楽天的なユーリから発せられるこの名言は、重さというものを良い意味で感じない。  非日常があたり前となった日常、というものをこの作品は描いている。それによってむしろ日常とは何かを問われるような気がしてならない。  4巻までの内容がテレビアニメ化されている。主題歌を始めとした歌が明るく楽しい。  終末ものでも、ヒャッハー系じゃない終末というのも良いものだと思わせてくれる漫画である。 『聖ロザリンド』からようやく2作目の漫画紹介だが、3作目には鳩山郁子作品でも紹介できたらなと思っています。
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