唯一の男

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「普通に恋がしたいです。」 ポツリと言った言葉にカウンターの端に座っていた真斗が プッ、と吹き出した 「ちょっと、盗み聞き?」 私がムッと膨れると 「ごめん、ごめん。聞えちゃっただけ。」 そう言いながら、彼の口元はまだ緩んでいる 「別に、いいけど。どうせ、馬鹿だなぁって思ってるんでしょ。」 今はオープンしてすぐの午前7時半すぎ 店には店長と私と真斗しかいない 静かに流れる音楽の中で私がこんな話をしているのが悪いのだ 「馬鹿だとは思わないけど・・・・・、結海って男見る目無いなとは思うよ。」 「なんで・・・・」 「前は既婚者で、その前が5股?他にはホストに・・・・えっと・・・、」 「うわぁ!!もう、言わなくていい!!」 急いで彼を止める 「ななななな、なんで、そんな事知ってるのよ!」 「だって、毎回 朝一でマスターに愚痴ってんじゃん」 ・・・・・・・・・。 う。 そ、そういえば 毎回私は何かある毎に店長に相談していた というより、私の異変にいつも店長が気付いてくれるものだから ついつい ベラベラと話してしまう そして、毎朝 朝一で来る彼は必ずと言っていいほど その場に出くわしていたのだろう あぁ。私の馬鹿・・・・。
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