5900人が本棚に入れています
本棚に追加
「普通に恋がしたいです。」
ポツリと言った言葉にカウンターの端に座っていた真斗が
プッ、と吹き出した
「ちょっと、盗み聞き?」
私がムッと膨れると
「ごめん、ごめん。聞えちゃっただけ。」
そう言いながら、彼の口元はまだ緩んでいる
「別に、いいけど。どうせ、馬鹿だなぁって思ってるんでしょ。」
今はオープンしてすぐの午前7時半すぎ
店には店長と私と真斗しかいない
静かに流れる音楽の中で私がこんな話をしているのが悪いのだ
「馬鹿だとは思わないけど・・・・・、結海って男見る目無いなとは思うよ。」
「なんで・・・・」
「前は既婚者で、その前が5股?他にはホストに・・・・えっと・・・、」
「うわぁ!!もう、言わなくていい!!」
急いで彼を止める
「ななななな、なんで、そんな事知ってるのよ!」
「だって、毎回 朝一でマスターに愚痴ってんじゃん」
・・・・・・・・・。
う。
そ、そういえば 毎回私は何かある毎に店長に相談していた
というより、私の異変にいつも店長が気付いてくれるものだから
ついつい ベラベラと話してしまう
そして、毎朝 朝一で来る彼は必ずと言っていいほど
その場に出くわしていたのだろう
あぁ。私の馬鹿・・・・。
最初のコメントを投稿しよう!