唯一の男

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「へー。朝しか来ないから、夜はデートしてるのかと思った。」 「朝は、ここの珈琲を飲むと 仕事がはかどるんだよ。」 その台詞に、店長の口元が一瞬緩んだ 「わかる。店長が淹れたコーヒーは、絶対何かパワーを秘めているよね。」 私も店長を笑わせたくて言ったのに そこで お客さんが来てしまい 私は慌てて席を立った 「いらっしゃいませ」 入り口を見ると、立っていたのは 三十代くらいの綺麗な女性だ 「お好きなお席にどうぞ」 うちの店はカウンター席が8席 2人がけのテーブル席が2席 4人がけが2席 彼女なら、2人がけの席へ行くかなぁと予想していたが それよりも全く思いもかけない台詞が彼女の口から飛び出した
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