唯一の男

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シーンとした店内に お洒落なジャズが流れている 静かな空気の中 彼女はポツリと言葉を落とした 「ごめんなさい。取り乱しました…。」 私の顔も見る事なく、ペコリと頭を下げた彼女は そのままテーブルに珈琲代を置いて店を出て行った きっと、彼女…泣いていた 見た訳では無いけど そんな気がする 台風の後のように 急に静かになった店内で 1番最初に口を開いたのは真斗だった 「こんな事に巻き込んですみませんでした」 ……。 「あれは誰?」 思わず聞いてしまった 踏み込むつもりはないが、巻き込まれた以上 誰かくらい聞いてもいいだろう
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