満ちた月

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真斗の背中に腕を回し 力いっぱい抱きしめた 真斗の匂いが熱がどんどん沁みてくる 「好きだよ、真斗。」 どうしても、言いたくて でも、恥ずかしくて 彼の胸板に向かって言う 「聞こえない。」 …… 顎を持ち上げられ 真斗と目が合う 射抜かれるような真っ直ぐな眼差しに 目を背けられない 「もう一回。」 真斗の顔が少し傾き 私の唇にもう少しで触れそうな距離で止まった 「言えたら、キスしてあげる。」 …… この、ドSめ!! 「す…き。」 恥ずかしくて顔を背けたいのに 私の顎を抑える真斗の手が そうさせてくれない 「何?」 ……。 「好き、」 「誰を?」 ……。 「真斗が…好き、。」 「合格」 やっと、言えた私に 嬉しそうに目を細めた彼は ゆっくり私の唇を食した
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