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「ねえ、今週の日曜日 デートしたい。」
私の部屋での 情事の後
着替える彼の背中に甘えてみる
彼が私の部屋に来たのは、これで3回目だろうか
「あぁ、っと…ごめん。今週は仕事があって無理だわ。」
こいつもか…。
たいてい、私に言い寄ってくる男は
本命の彼女がいる
最悪な時は、既婚者だった事もある
私はどうやら、2番目にふさわしい女らしい
「ごめんな。花、。」
___『花』
彼らは、私の下の名前を『花』だと思っている
花ヶ前の、『花』なのに。
いつからだろう
私がちゃんと名前を伝えなくなったのは…。
どうせ、ちゃんと私を見てくれないのなら
名前も教えたくないと思った
そして 彼等もまたフルネームなど聞いてこないのだ
もう、源氏名みたいな事になっている
私は彼等にとって
それくらいの価値しかない
例え、私がいなくなっても
私の代わりにヤらせてくれる女を探すだけ
「ばっかみたい。」
思わず心の声が出てしまい
慌てて口を抑えた
「ん?」
目の前の男はキョトンとしている
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