守りたい人

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あのあと、女性の警察官の方が私の元に訪れ 1時間ほど話を聞かれた 退院後に私の付き添いの元 部屋を見たいとの事だった 男は私の合鍵を作り 私の仕事中 家に入ると 隠しカメラと 盗聴器を仕掛けたと自供したらしい その話を聞いた時はさすがに目眩がした 「俺が付き添おうか?」 警察官が来た時 ずっと付き添ってくれていた真斗が私の顔を覗きこむ 「いや・・・・、真斗は仕事があるでしょ?大丈夫・・・。」 本当は、自信がない・・・・。 あの部屋にカメラと盗聴器が仕掛けられていた・・・・ ずっと・・・見られていたってこと・・・・? いつから・・・? 「俺、有給取るわ。溜まってるから使えって言われてるんだよ。」 「え?」 隣の真斗を見上げると 心配そうに眉を下げて笑っている 「結海、震えてる」 ・・・・・あ。 知らない間に私は自分を抱きかかえるようにしたまま小刻みに震えていた 「いい・・・の?」 「全然問題なし」 フッと笑うと 彼は優しく私の手を握った 温かくて大きくて その手に包まれるだけで 少しだけ気持ちが楽になる 「ありがとう・・・・」 俯いたまま呟いた言葉に キュッと握られた手で返事をもらった
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