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魔の城の主
勇者誕生の大パーティーで私は何人にも貴族にあわされた。
腕の立つものばかりだからいいものを選んでくださいとも言われていた。
私は従順そうなものを探した。
「こちらが、前勇者の末裔といわれるカレシャイ・シルバー殿という」
「初めまして、クルトから来たアーランド・スレイといいます」
にっこり愛想笑いをふりまく。
「初めまして」
なんですか。前勇者の末裔殿はそれだけですか。しかも先にこの人を紹介ですか。間違ってませんか、宰相殿。
私はじゃっかんイライラしていると目の前のカレシャイが鼻で笑った。
「私はてっきり別の方が勇者かと思ってました」
「なんですって?」私の神経が沸騰した。
「ただの末裔殿が言う言葉とは思えませんね。確かあなたには聖剣が抜けなかったと聞きましたが、フッ」
こちらも鼻で笑ってやる。
「そんなことを言っていいんですかね。私は知ってるんですよ。あなたはあの魔の城に行ったんですよね?」
「それがどうかしましたか」
私の顔から表情がはがれる。
誰からの情報でしょう・・・?私は誰にもしゃべっていない。
「ご本人が向こうにいますよ。その魔の城の・・・私はてっきり彼が勇者かと。彼は魔物とはささやかれるものの身分は保証されてますよ。伯爵ですから。しかも強さでいったらこの国一。あなたより強いんでしょう?」
「・・・・・っ!」
私の神経は焼かれた。怒りが渦巻く。この私がこんな輩にばかにされるなんて。
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