俺と師と

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俺の中学高校時代に恩師というものに出会えたとするならば、恐らくこの祖父の葬式で出会ったこの人を、私は確実に選ぶだろう。 この人は弁護士だった、祖父と同じ弁護士で、自分で事務所を経営しているような男だった。俺は友人と遊ばない日のほとんどをこの人の事務所で過ごした、話も聞いた。 この人は頭も良く、物腰軽く、まだまだ世間では甘っちょろいガキな私の話を聴いてくれた。この人は、未来を目指して走る私の、師匠となってくれた人だったのである。 それは、私が高校3年生になるまで続く、高校に入りスポーツにも没頭した私をも師は応援してくれた。 親が来れない試合の日は事務所を休んで応援に来てくれたこともある。 「勉強は忘れるなよ」 そう言って肩を叩く姿は、祖父にそっくりだった。 そして、今 私は、祖父に続いて弁護士になる為に勉強をしている刑法を含む様々な知識が必要とされる司法試験に向けて僕は歩き始めている。 親が応援してくれている、師と仰ぐ方が応援してくれる。 祖父に支えられているみんなが、私の背中を押してくれていた。 私はそんな方々に作ってもらった道を歩くような感覚で勉強に励んでいる。 大学2年生である私は、法学部に所属し、法のなんたるかを学んでいる。毎日、毎日が勉強の日々だ。苦しいと感じることはある、これだけの努力をして無駄になったらどうしようなどと考えたのは1度や2度ではない。そんな想像をしただけで自分の顔に冷や汗が浮かぶのがわかる。 しかし立ち止まってはいられない、祖父と同じように、前へ進んでいく。少しずつ師から祖父のことを教えてもらいながら、紆余曲折を経て、時にはつまずき、挫折を知って、前に進んでいった。 正解かどうかはわからない、合格するかどうかも今はまだわからない。 それでも私は確信している。 こうやって進んで行った道を、きっと私は後悔しないと。
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