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「お嬢様にご用でしょうか?」
「あぁ、元気にしてるかなって思って。全然連絡もつかへんし」
そう言うと門の前の掃き掃除をしているのだろう。ほうきを持ちながらチュウが言う。
「生憎、お嬢様は今、ここにはおりません。彰浩様のお屋敷にいらっしゃいます」
「彰浩様って……」
「お嬢様の婚約者の方でございます」
そういえば彩衣花が彰浩さんと呼んでいたことを思い出す。
「もうじき結婚を控えてらっしゃるのでその準備に忙しいようです。私もここ最近、姿を見ていません」
そう言ってチュウは少し寂しそうな顔をした。
「そうか……」
「元気なのでしょうけど……正直少し心配です」
そう言って掃き掃除していた手を止めた。
何となく言いたいことは分かった。
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