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そんなこんなでニートと言われないようにお金を稼いで太った体を鍛えて、座禅を組んで精神も鍛えて外に出る日を目指して努力を重ねました。
そして今日、勇気を振り絞って両親や穂香がいる時間に部屋を出るという大冒険を決行したのです。
その結果が、妹と両親に息子だと認識されないという笑えない結果でした。
まあ、鏡で見たあの姿でわかれと言う方が無体な話だし、それはいいのだけど。
お母さんも穂香も、僕の一点を親の仇のように睨むのは止めて欲しいと思うのは贅沢でしょうか?
「改めてお兄ちゃんから話を聞いて、お兄ちゃんが悪くないというのは判ったわ。私の為に虐めを耐えてくれたのは感謝しかないわ。だけど、私よりも胸が大きいのが納得出来ないわ!」
「僕だって、好きで大きな胸になった訳じゃないよ。男なのにこんな胸じゃ、虐めの原因になるじゃないか!」
「いらないのなら、私に頂戴!喜んで貰うわよ!」
いや、頂戴と言われても、あげる方法がないからね。僕だって要らないから、あげられるならあげたいけど。
「穂香ちゃん、順序から言えばお母さんが貰うべきだと思うわよ。穂香ちゃんは、まだ大きくなる余地があるのだから」
「いやお前、胸論議の前に話し合う事があるだろうに」
お父さん、今はあなただけが頼りです。
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