僕、人生の節目を迎えます

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好みでないタレントを担当させてもやる気を出さず、好みのタレントを担当させると手を出さないかと心配で上役の胃に穴が開く。 かと言って、能力は一級品なので手放したり異動させるのは惜しい。そこで新たに入った僕を担当することになった。 確かに有能で、これまでにかなり助けられて来ました。ですが、油断が出来ず気を抜けないというデメリットも併せ持っていたことも事実です。 「開演までまだ時間はあるけど、やることは山積みなのよ。楽屋に戻って準備をするわよ」 楽屋に戻った僕は、手始めに衣装合わせをすることになりました。 「ねえ、衣装合わせって前日までにするものじゃないの?」 衣装に不具合があった場合、当日では修正が効かない場合がある。なので前日までに行うのが通例のはずなんだけど。 「万が一を考えて、デザイナーもお針子さんも待機してるわ。衣装の素材も十分に用意しているから、何があってもフォローできるわよ」 「用意周到なのは凄いけど、昨日までにやれば済む話だよねぇ!」 「御託はいいから、これを着て頂戴。デザイナーさんやお針子さんのチェックもするんだから!」 まどかさんから手渡されたのは、胸元が大胆に開いた衣装でした。 「こ、こんな衣装なの!」 「はいはい、時間無いから文句は受け付けないわよ。その為にギリギリまで衣装合わせをしなかったんだから」     
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