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「個人的な欲望に、関係者の皆様をまきこまないで!」
こんな馬鹿な理由で手を煩わされた方達に、土下座をして謝らせたいくらいです。
「その心配ならなら要らないわよ。皆カオルちゃんにこの衣装を着せたいって喜んで加担してくれたから」
「味方が一人も居ないっ?四面楚歌状態!」
僕一人で状況を打破出来るはずもなく、自分では選ばないような衣装を次々と着る羽目になりました。
「眼福眼福。これであと十年は戦えるわ。デザイナーさんもお針子さんも絶賛してたわね」
「僕はもう、気力も体力も使いきりました」
Tシャツにジーンズというラフな格好に戻り、机に突っ伏す。
「何言ってるのよ、これからが本番でしょう?」
「ですね。ファンになってくれた人の為にも、支えてくれた家族の為にも先に進まなくてはね」
大事な両親と妹は、この会場に見に来てくれている。このコンサートも成功させて、胸を張って歩ける自分でいないと。
「胸を張らなくても、充分に存在感はあるけどね。このボリューム、この柔らかさ。一度揉んだら癖になるわぁ」
「長門さん、ナチュラルに考えを読まないで下さい!そして、当然のように胸を揉まないで下さい!」
自らテクニシャンだと言うだけあって、絶妙な揉み具合に抵抗出来なくなります。
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