あらすじ

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 異性への強制変身が描かれるラノベ、ヴァンパイアハンター・リン。涼村美空はブックカバーを自作するほどヴァンリの大ファンだ。しかし美空はそのコアな内容から人に知られるのを恥ずかしく感じていた。本当はみんなにヴァンリの魅力を伝えたいのに……。  ある日美空は書痴交流会と呼ばれる本のプレゼン会に参加する。その中でヴァンリが紹介されるのだが、審査委員の宮本太陽にボロボロに批判されてしまう。美空は願った。もっとヴァンリに自信を持てたら、と。そんな時、美空の手にあるヴァンリの文庫本から謎の妖精ミクが姿を現す。ミクの不思議な力でなんと太陽は美少女に、美空はイケメンへと姿を変える。不本意にもイケメン美空に女として赤面する太陽だが、美空はこれがヴァンリの魅力、ギャップ萌えであると語り審査員に認められる。美空はようやく自信を持つ事が出来るのだった。  ミクはVヴリアンと呼ばれるブックカバーの妖精だ。Vヴリアンは人生を変える本との出会いにより誕生し、その本にカバーをかける事で実体となる。美空はミクと共に、少女漫画が好きな男子や、本のキャラを愛してしまった同級生など悩みを抱える者たちやそのVヴリアンと交流していく。  本の数だけVヴリアンが存在し、その本を共有し、より深く楽しむ事ができるのだ。  しかし、そんな美空と対照的に太陽はVヴリアンを捕獲していく。青少年にとって有害な本から生まれたVヴリアンは低俗であり危険というのが太陽の考えだった。  本を愛する気持ちは同じ美空と太陽だが、その考え方の違いから二人は対立していく。  やがて捕獲されたVヴリアンは暴走を始める。街中の本を闇で包み込んで白紙=本文を消してしまった。  伝わらなかった気持ちが消えてしまうように、存在を認めてもらえなかったVヴリアンも本を消したのだ。  自分のしてきた事を後悔した太陽は美空に全てを託す。  美空はVヴリアンの気持ちを受け止め、共有し、文章を取り戻すのだった。
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