1人が本棚に入れています
本棚に追加
竹之内「あ、あー……」
美空「調べないで! 何唸ってんですか!」
竹之内「(笑顔)無理強いして悪かった。そういうもんだと思わなかったから。でも、学
校でエロ本はやめたほうがいいぜ」
と、気遣うように言って、
竹之内「それじゃ!」
急いで出て行ってしまう。
――やっちまった、な美空。
〇同・廊下
陽菜と竹之内がバッタリ出くわす。
竹之内「お」
陽菜「あ」
〇同・図書室
勝司「完全に気遣われたな」
美空「もう、えっちな本じゃないのに!」
と、ドアが開く。来たのは陽菜だ。
陽菜「なに騒いでるの」
美空「委員長」
勝司「実は、美空がですね」
陽菜「(やれやれ)竹之内君から大体聞いてきたけど――」
× × ×
テーブルに置かれたヴァンリ。
陽菜「これが噂の」
美空「はい! ヴァンパイアハンター・リンの新刊です!」
陽菜、ヴァンリを手に取る。
陽菜「ふーん……」
そして、まじまじと眺める。
美空「?」
陽菜「この本そんなに恥ずかしい?」
美空「そんな事ないです!」
と、ぶんぶん手を振る。図星である。
勝司「恥ずかしいから隠したんだろ」
美空「勝司君!」
勝司「でも、必死だったぜ」
美空「違うよ。あの先輩には分かってもらえないと思っただけ。……実際そうだったし」
勝司「まあ、好意的ではなかったな」
美空「うんうん」
頷く美空。
陽菜「美空ちゃんはこの本が好き?」
美空「はい。それはもちろん」
陽菜「だったら気にせず、もっと自信を持っても良いんじゃないかな」
美空「委員長……」
最初のコメントを投稿しよう!