第1話

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竹之内「あ、あー……」 美空「調べないで! 何唸ってんですか!」 竹之内「(笑顔)無理強いして悪かった。そういうもんだと思わなかったから。でも、学 校でエロ本はやめたほうがいいぜ」    と、気遣うように言って、 竹之内「それじゃ!」    急いで出て行ってしまう。    ――やっちまった、な美空。 〇同・廊下    陽菜と竹之内がバッタリ出くわす。 竹之内「お」 陽菜「あ」 〇同・図書室 勝司「完全に気遣われたな」 美空「もう、えっちな本じゃないのに!」    と、ドアが開く。来たのは陽菜だ。 陽菜「なに騒いでるの」 美空「委員長」 勝司「実は、美空がですね」 陽菜「(やれやれ)竹之内君から大体聞いてきたけど――」      ×     ×     ×    テーブルに置かれたヴァンリ。 陽菜「これが噂の」 美空「はい! ヴァンパイアハンター・リンの新刊です!」    陽菜、ヴァンリを手に取る。 陽菜「ふーん……」    そして、まじまじと眺める。 美空「?」 陽菜「この本そんなに恥ずかしい?」 美空「そんな事ないです!」    と、ぶんぶん手を振る。図星である。 勝司「恥ずかしいから隠したんだろ」 美空「勝司君!」 勝司「でも、必死だったぜ」 美空「違うよ。あの先輩には分かってもらえないと思っただけ。……実際そうだったし」 勝司「まあ、好意的ではなかったな」 美空「うんうん」    頷く美空。 陽菜「美空ちゃんはこの本が好き?」 美空「はい。それはもちろん」 陽菜「だったら気にせず、もっと自信を持っても良いんじゃないかな」 美空「委員長……」
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