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占い好きな女 海堂真莉愛
真莉愛、ごつごつした漢字とは違って「まりあ」という可愛らしい読み。
しかし、彼女の見た目は短く借り上げた茶色の髪。
耳にあけた3つのピアス。
化粧っけのない顔。細長い、綺麗な足を隠すスキニー。どちらかというと、ボーイッシュな人間だった。
見た目からは体育系に思われるが彼女の趣味は漫画とアニメ。
オタク気質で家には好きなアニメのグッズが所狭しと並んでいる。
友達もだいたいオタクで、女も男もいる。
同じアニメが好きだというのは話がはずんでいつも楽しい。いつだって、何時間でも語り合えてしまう。そんな雰囲気からよりつく男は、彼女を恋愛対象というより友達としか見ていなくて、なかなか恋愛関係に発展することがなかった。
真莉愛もいい年齢だ。今年25になった。今まで彼氏がいなかったわけではなかったのだが、なかなか長続きしない。周りの友達がどんどん結婚してきて、焦りがじわじわと募ってくる。
「でも、実際の人間より、二次元の男の方が何倍もいいんだもんなあ…」
なんて思いながら今日もツイッターを開く。そこには自分の好きな漫画について語り合う同士たち。
『おはよう』
とつぶやけばすぐに
『おはよう!』
と誰かが返事をしてくれる。
フォロワーが多いわけではないが、細々と交流を続けている。
そこで小説を書くことが真莉愛のオタク活動だった。
小さいころから本が好きだった真莉愛は小説家になりたかった。その夢はかなってはいないが、大好きな漫画やアニメをモチーフにしたお話を想像することが好きだった。
いわゆる二次創作というやつだ。
大手作家ではないが、それでも小説を書くことはやめなかった。
いつか、誰かの目にとまって、自分の夢が叶えられたらいいな、なんて。
でも、もう25だ。いい加減夢をあきらめる時期が来たのかもしれない。仕事はしているが、なんだか精が出ない。
そんな時にスマホの広告で見たのが
『かなり当たる!手相占い!あなたの未来を見通します』
という手相占いだった。
切羽詰まっていたのかもしれない。どうすればいいのか、だれかに教えてほしかったのかもしれない。
真莉愛はその広告を見た翌日、さっそく出かけることにした。
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