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ケイの叫びにも耳を貸さず渚姉は日葵の腕をギュッと抱いて無感情でニコッと笑った。
「向日葵ンと私は仲良しなんだもんね~」
「えっ、あっ・・・」
「ね~」
「ね、ね~」
「明らかに息が合ってないじゃないか。教頭先生のヅラ並みにズレッズレじゃねーか」
「甘いな警部ちゃん。私の学校の教頭は女性だったぜ」
「女だってはげるだろ。最近のウィッグ技術は凄いんだぞ。人生後半のマダム方の髪はあれ大体植毛かウィッグだからな」
「今の話題ほどずれてるものはないと思うよ。渚姉、ケイ」
日葵の消極的なツッコミで我に返ったケイは日葵の腕から渚姉を引っぺがしてそのまま流れるような動作でいっそ美しく脳天に一発蹴りをいれた。
「いっだぁぁあああ」
「フンッ、人の話をききやがれ」
「柔らかッ身体柔らかッ警部殿の脚柔らかすぎっ」
恐ろしい方向へ振り上げられた脚が通常ではまずありえない脚線を描き、てこの原理的な作用でいつものニ倍の威力はある攻撃を渚姉に与えた。
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