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「えええええっ!? 聖君の身体を完成前のプラモデル並みの細かさまで引き千切ったぁ!?」
「私は確かにその比喩を使ったけどもそれを忠実に繰り返す必要はなくねえか?」
「だ、だ、だ、駄目じゃんか!?」
「当たり前だろ」
「ケイに言われたくないよ!!」
「ド正論だな。ムカつく」
「いやいやいやいやいやいやいやいやいや!!」
数行前のモノローグ的な文章は気のせいでした。
ケイは自我がないのを良いことに椅子代わりにした子供から降り、日葵の手前渋々謝った後、自我がねえ奴に謝るなんて最高に空しいじゃねえか!? と軽く口げんかした後ここまでのあらすじを説明した。
別に前編後編の分かれ目ではないのであらすじは必要ない。割愛である。
「ツッコミどころが多すぎる! 私ツッコミ役じゃないのに!!」
「役ってなんだ役って」
「んもう! ケイ、めっ!」
「めっ、で済む話なら簡単なことだな」
「人を傷つけちゃ駄目なんだよ! 絶対ダメなの!!」
「語彙力皆無か」
「・・・めっ」
「はいはい」
語彙力皆無な日葵ちゃんはぷくっと可愛く頬を膨らませて眉を吊り上げた。
「自分がされて嫌なことを他人にしちゃダメ」
「私はMだからプラモデル並みの細かさまで引き千切られると嬉しいぜ?」
「・・・そのネタもう古いよ」
「・・・そだな」
「自分がされて嫌なことは・・・」
「繰り返さないで良い!! 幼稚園児じゃあるめえし・・・」
「幼稚園児でもできることだよ!? ケイができない訳ないじゃん!」
「幼稚園児がするようなことなんで私がしなきゃいけねえんだよ!?」
「幼稚園児がするようなことって当たり前にできなくちゃいけないことなんだよ!!」
「幼稚園児幼稚園児うるせえんだよ!!」
「幼稚園児は・・・」
「幼児とでも言やいいだろが!!」
「あんま変わんなくない!?」
普通に会話をしていても話が脇道にそれるのは日葵とケイの悪い癖だった。
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