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ケイの怒りもそろそろ収まったっぽく、目の前で死にかけている人間を見逃せるほど血も涙もないわけでもないケイは聖を助けることに比較的前向きになっていた。
「渚ねェエエエッ!」
日葵としても聖を助けることに依存はなく、渚姉を呼び出すことに躊躇もなかったのだが、その選択を後悔するにそう時間はかからなかった。
「と、ここでちょい前の会話に戻る訳ね」
「な、何を言ってるの?」
「警部殿とあの臨死君くっつけない?」
「り、りんしくんってだれ?」
「なんつったっけ。鏑城?」
「聖君?」
「そうそう、その臨死君とさ、警部殿をくっつけるの」
「・・・け、警部殿って誰?」
「ボケてるの?」
「ほんとにわかんないの。渚姉の言ってることが」
突拍子もない言動は最早汐凪渚の代名詞と言っても良いが日葵はその言動にツッコめるような技術を持ち合わせていなかった。
「だからぁ『ドキドキ! 地獄で堕ちたのは恋でした・・・』大作戦を実行しちゃおう! て言ってんの!」
「そんなこと一言も言ってなかった!」
「いや、この際そこはどうでも良いっしょ。フィーリングで生きて行こうぜ!」
「私たち死んでるんだよ!?」
とんだブラックジョークも良いところである。
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