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「それ以上は聞かない」
「・・・まだ何も言ってない」
「何を言おうとしてるか手に取るようにわかる」
「・・・・・・」
聖は、ケイの真っ直ぐな目をしっかりと見つめて小さく問う。
「ケイは、なんで壊れたくないんだ?」
ケイは、なんで、そこまでしてまで、
壊れたくないんだ?
半ば予想のついた問いだが、ケイは言葉に詰まる。
「俺には理解できない」
「・・・」
「生き返る前にどうしても聞いておきたかった」
「・・・知るか」
ケイは、聖を睨みつけて、吐き捨てるように言う。
「生き返れる前提で、話してんじゃねえよ」
「・・・どう言う意味だよ」
「地獄の水先案内人が、一度迎え入れた人間が」
そう簡単に、
地獄を出られる訳がないだろう。
日葵は、隣にいた渚姉の方を振り返った。
「・・・なぎさねえ?」
そこには、誰の姿もなかった。
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