伍  愛すれど、死人故

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「それ以上は聞かない」 「・・・まだ何も言ってない」 「何を言おうとしてるか手に取るようにわかる」 「・・・・・・」  聖は、ケイの真っ直ぐな目をしっかりと見つめて小さく問う。 「ケイは、なんで壊れたくないんだ?」  ケイは、なんで、そこまでしてまで、  壊れたくないんだ?  半ば予想のついた問いだが、ケイは言葉に詰まる。 「俺には理解できない」 「・・・」 「生き返る前にどうしても聞いておきたかった」 「・・・知るか」  ケイは、聖を睨みつけて、吐き捨てるように言う。 「生き返れる前提で、話してんじゃねえよ」 「・・・どう言う意味だよ」 「地獄の水先案内人が、一度迎え入れた人間が」  そう簡単に、  地獄を出られる訳がないだろう。  日葵は、隣にいた渚姉の方を振り返った。 「・・・なぎさねえ?」  そこには、誰の姿もなかった。
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