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彼女は、答えなかった。
ただ、真っ直ぐな瞳を揺らがせた。
聖には、彼女が泣いているように見えた。
彼女は、心の中で叫んでいるように思える。
『生きたかった』と。
『死にたくなかった』
・・・と。
不謹慎かもしれない。
道徳に反しているかもしれない。
人として、一人の生きとし生ける人間として、
間違っているかもしれない。
だけど、どうしても、
どうしようもなく、
聖は思ってしまった。
今、この一瞬。
たった一時でも多い時間を、
彼女の為に、
刑部ケイの為に、
捧げたい。
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